ブルネイ旅行 完全まとめ|知られざる石油王国を夫婦で旅した7日間のすべて

「ブルネイって、どんな国なの?」——この旅が終わった後、帰国してから何度こんな質問をされたかわからない。正直、私自身も出発前はほとんど何も知らなかった。東南アジアの小さな王国、石油が豊富で裕福な国、イスラム教の国。それ以上のことは、頭に入っていなかった。でも今は違う。「ブルネイ、よかったよ。絶対行ってみて」と、自信を持って言える。
妻と二人でこの旅を計画し始めたのは、出発の3ヶ月ほど前だった。定番のリゾート地ではなく、「まだ行ったことのない場所、知らない文化に触れたい」という気持ちが強かった。気がつけばブルネイのことを調べ始め、ロイヤル・ブルネイ航空の直行便があることを知り、あれよあれよと予約が完了していた。人生は思ったより短い。「いつか行こう」と先延ばしにしていた旅先を、今年ついに実現した。

ブルネイってどんな国?まず知っておきたいこと
ボルネオ島の北部に位置するブルネイは、正式名称「ブルネイ・ダルサラーム国」という立憲絶対君主制の国だ。面積は三重県とほぼ同じくらいで、人口は約45万人。石油と天然ガスの恩恵を受け、税金がなく、医療費も無料という国民福祉の充実ぶりで知られている。国民の3分の2以上がイスラム教徒であり、アルコールの販売は原則禁止。観光客は72時間以内であれば免税店で少量のお酒を持ち込めるが、街中ではほぼお酒を飲む場所がない。一方で、タバコを持ち込もうとすると税金がかかります。
治安は良く、街はきれいで、物価は日本と比べてやや安い印象だった。英語も広く通じるので、旅のハードルは思ったより低い。「東南アジアでこんなに静かで穏やかな国があるのか」というのが、到着した瞬間の正直な感想だった。
オマール・アリ・サイフッディン・モスク——息をのむ美しさ
ブルネイ観光の目玉と言えば、やはりモスクだ。首都バンダル・スリ・ブガワンにあるオマール・アリ・サイフッディン・モスクは、1958年に完成した白大理石の壮麗な建築物で、周囲を人工の池に囲まれている。晴れた日には池に映る姿が美しく、まるで鏡の中にもう一つのモスクがあるかのように見える。

礼拝の時間帯以外であれば、ノンムスリムも入場できる。入場前にはローブを羽織り、靴を脱ぐというルールがある。内部に一歩入ると、美しいシャンデリアと繊細な彫刻が施された壁が視界に広がり、思わず言葉を失った。イスラム建築のスケールと精緻さは、本当に見る価値がある。妻も「こんなきれいな建物、見たことない」と言っていた。
礼拝の時刻を知らせる板が壁にかかっており、一日5回の礼拝の時間が細かく刻まれていた。この国では生活の中にイスラム教が自然に溶け込んでいる。観光地としての顔と、信仰の場としての顔が共存している空間に、異文化のリアルを感じた。
カンポン・アイエル——水の上に暮らす人たちの世界

ブルネイ川の上に広がるカンポン・アイエルは、「世界最大の水上集落」として知られている。約3万人もの人々が、川の上に杭を打って建てられた家に暮らしているという。木製の橋でつながれた集落を歩いたり、ウォータータクシー(ボート)に乗って川から眺めたりと、独特の水辺の生活を体感できる場所だ。
ボートで沖合いから眺めると、背後に立ち上る積乱雲と水上の家々のコントラストが美しかった。「こんな暮らし、どんな感じなんだろう」と妻とぼんやり話しながら、非日常の風景に見入っていた。岸辺からアクセスするウォータータクシーは、地元の人も普通に通勤通学に使っているらしく、生活の足として当たり前のように機能していることに驚いた。
ショッピングモールと市場——ブルネイの「普通の生活」

石油収入が豊富なブルネイには、大型のショッピングモールがある。入ってみると、ステンドグラスをあしらった多層吹き抜けが広がり、思わず上を見上げてしまった。国際的なブランドショップも入っており、見た目のスケールは日本の都市部の大型モールと遜色ない。ただ、人の数はそれほど多くなく、ゆったりとした雰囲気が漂っていた。

地元の市場にも足を運んだ。野菜や果物が所狭しと並ぶ活気ある空間で、トウモロコシが1束$5(ブルネイドル)で売られていた。ブルネイドルはシンガポールドルとほぼ等価なので、1束が約500円前後のイメージだ。地元の人たちが当たり前のように買い物をしている光景の中に混じっていると、観光客として訪れているというより、少しだけその街の一員になれたような気がした。

ジャングルトレッキングの途中に立ち寄った果樹園では、マンゴスティンの木を発見した。「果物の女王」と呼ばれるマンゴスティンが木に実っているところを見たのは初めてで、妻と一緒に写真を撮りながら興奮した。東南アジアのジャングルにはこういう発見が随所にあって、歩くたびに何かに出会える。
ジャングルと大自然——ボルネオ島の息吹

ブルネイはボルネオ島に位置しており、国土の大半が熱帯雨林に覆われている。首都から離れると、ジャングルの緑がどこまでも広がる大自然の世界が待っている。ウル・テンブロン国立公園などのジャングルトレッキングでは、手つかずの原生林の中を歩き、吊り橋からテンブロン川を見下ろし、ジップラインで空中を飛んだ。
ボルネオ島のジャングルは、生態系の多様さで世界的に知られている。トレッキング中には鳥のさえずりが絶えず、木の根に苔が生え、見たこともない植物が次々と現れる。「地球はまだこんなに豊かなんだ」と実感できる体験だった。妻は「ジップラインが一番楽しかった」と言っていたけれど、私は静かな森の中で流れる川の音を聞いていた時間が、一番心に残っている。
ナイトマーケット——夜のブルネイを楽しむ

ブルネイにはお酒がないかわりに、食の楽しみが豊かだ。夜になるとナイトマーケットが開かれ、地元の屋台が立ち並ぶ。ナシ・カトック(揚げ鶏とご飯のシンプルな料理)、サテー(串焼き)、アンブヤ(サゴヤシを練った伝統食)など、マレー系・中華系・インド系と多様なルーツを持つ料理が一堂に会する。
カラフルなドリンクスタンドでは、ジュースやバブルドリンクが1ドル(約100円)で買えた。地元の家族連れや若者たちが思い思いに食事を楽しんでいて、観光地感がなく、地元の日常がそのまま広がっているような空間だった。妻と二人で屋台をハシゴしながら、色々なものをちょこちょこつまむ。旅の楽しみの中でも、こういう「地元飯」の時間が私は一番好きだ。
ブルネイ旅行の基本情報まとめ
- フライト:ロイヤル・ブルネイ航空が成田〜バンダル・スリ・ブガワン間を直行便で運航(約7時間)
- ビザ:日本国籍の場合、30日以内はビザ不要
- 通貨:ブルネイドル(BND)。シンガポールドルとほぼ等価で相互利用できる
- 言語:マレー語が公用語だが英語も広く通じる
- 宗教:イスラム教。服装・飲酒など一定のマナーが必要
- 治安:非常に良好。夜の観光も比較的安心
- 物価:日本と同程度か少し安い印象
- ベストシーズン:乾季の3月〜10月が比較的過ごしやすい
この旅を振り返って
ブルネイを訪れる日本人は、まだそれほど多くない。「なぜブルネイ?」と聞かれることも多かった。でも逆に言えば、だからこそよかった。観光地化されすぎず、人混みに疲れることもなく、この国の本来の姿に近いものを見られた気がする。
旅をするたびに思うことがある。若い頃は「お金を貯めてから行こう」「落ち着いたら行こう」と先延ばしにしていた旅先が、いくつもあった。でも時間は待ってくれない。元気で動けるうちに、見たいものを見て、食べたいものを食べて、感じたいことを感じておく。それが後悔を減らす一番の方法だと、旅を重ねるたびに確信するようになった。
ブルネイで見た景色、妻と交わした会話、ジャングルの中で聞いた川の音——これは何年経っても消えない「思い出の貯金」だ。お金は使えばなくなるけれど、体験した記憶は自分の中にずっと残り続ける。年をとったとき、「あの旅、行っておいてよかったな」と笑える日が来ると信じている。
もしブルネイに少しでも興味を持ったなら、ぜひ行ってみてほしい。きっと想像以上の発見が待っている。
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