■朝の静けさの中で

ラオスの朝は、驚くほど静かだった。

まだ街が完全に目覚めていない時間。
空は淡いオレンジ色に染まり、夜の空気がゆっくり朝へと変わっていく。

ホテルを出て車に乗ると、道路は思ったよりも空いている。
通勤ラッシュのような慌ただしさはなく、ゆっくりと一日が始まる空気が流れていた。

向かう先は「国境」。

この旅の目的のひとつ、
ラオスからタイへの陸路での国境越えだった。

■ラオス出国

国境の施設に到着すると、そこにはすでに多くの人が集まっていた。

バックパックを背負った旅行者。
仕事へ向かう人。
家族連れ。

椅子も少なく、床に座って待つ人たちもいる。

ラオス側の出国手続きは比較的シンプルで、
ゆったりとした雰囲気の中で進んでいく。

空港のような緊張感はない。

ここでは国境も日常の一部のようだった。

■メコン川を渡る

出国手続きを終えると、車で橋へ向かう。

その橋の下を流れているのが、
東南アジアを代表する大河「メコン川」。

車窓から見える川は想像以上に大きく、
ゆったりとした流れが広がっていた。

この川が国境になっている。

つまり――

橋を渡れば、もうタイだ。

ほんの数分の距離。

それでも「国境を越える」という感覚は、
どこか特別なものだった。

■タイ入国

橋を渡ると、目の前に大きな建物が見えてくる。

屋根には大きく書かれた文字。

**THAILAND**

ここがタイ側の国境施設。

ラオスとは雰囲気が少し違う。
建物も大きく、車の数も多い。

入国審査の列に並びながら、
ふと振り返る。

ほんの数分前までいたラオス。

橋ひとつで国が変わる。

それが不思議でもあり、
旅の面白さでもある。

■国境という場所

国境は、地図の上では一本の線。

しかし実際に立ってみると、
そこには人の流れがあり、生活があり、物語がある。

出稼ぎに向かう人。
観光客。
商人。
国境を越えて通学する学生。

ここは「境界」ではなく、
人と人が行き交う場所だった。

■旅はまだ続く

タイへ入国すると、景色は少しずつ変わっていく。

道路の広さ。
建物の雰囲気。
走っている車。

同じ東南アジアでも、
国が変われば空気も変わる。

ラオスを離れたばかりなのに、
すでに次の旅が始まっている。

メコン川の向こうに広がる世界。

この旅はまだ、始まったばかりだった。

―― 第6話へ続く ――

ABOUT ME
けーちゃん
年代:40代/性別:男性/職業:会社員 怠惰な生活を送りながら、自分のカラダを改善する。 残りの人生を楽しめるよう、日々の記録をしてみる。