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ドキドキと感動の海外旅行 54

旅の最終盤は、ダッカの日常にぐっと近づいた一日になった。バイクであふれる朝の交差点、量り売りの米がずらりと並ぶスーパー、窓の外に広がる白い建物群、そしてアジアンテイストたっぷりのランチ。観光地とは少し違う、生活の息づかいを感じた時間を振り返る。

目次

バイクであふれるダッカの朝

朝、ホテルの前に出てみると、通りはすでに通勤ラッシュの真っ最中だった。車の間を縫うように、ヘルメット姿のライダーたちがずらりと並び、信号待ちの列がどこまでも続いている。クラクションの音と排気ガスのにおい、そして人びとのせわしない動きが、ダッカの一日の始まりを告げていた。

日本ではなかなか見られない光景で、バイクがここまで生活の足として欠かせない存在になっていることを実感した。渋滞は大変そうだが、ライダーたちの表情は意外と明るく、声をかけ合いながら朝を乗り切っているように見えた。

量り売りのお米にびっくり ローカルスーパー探検

次に立ち寄ったのは、地元の人が日常的に利用している大型スーパー。中に入ると、まず目に飛び込んできたのが、量り売りコーナーにずらりと並ぶお米の山だった。白米、赤米、細長いバスマティライスなど、種類ごとに値段が表示されていて、量を選んで購入するスタイルだ。

同じ米でも粒の大きさや色、香りが違い、料理によって使い分けているのだろう。日本では袋詰めが一般的なので、この光景だけでも異文化体験だ。眺めているだけで、バングラデシュの食文化の豊かさを感じることができた。

街角にあふれる乗り物とエネルギー

スーパーをあとにして再び道路に出ると、今度は個性的な三輪タクシーが目に入った。金属のボディにカラフルなペイントが施され、ところどころに手作り感の残る姿が印象的だ。決して新しくはないが、街の空気と混ざり合って、ここでしか見られない風景をつくり出している。

きらびやかなショッピングモールやオフィスビルのすぐそばに、ローカルな市場や古い建物が並ぶ。そのコントラストが、急速に発展する都市と、変わらずたくましく生きる人びとの姿を物語っているように感じた。

ホテルの窓から眺めるダッカの街並み

ホテルの部屋に戻り、カーテンを開けると、アーチ型の窓が並ぶ白い建物が視界いっぱいに広がっていた。その向こうには、やや霞がかった空と、高層ビル群がぼんやりと浮かんでいる。スモッグのせいもあって、全体が柔らかいベールに包まれているように見える。

建物の壁にはところどころ痛みも見えるが、それもまた歴史を感じさせる。窓の外に広がる景色を眺めながら、この街で暮らす人びとの日常を思い浮かべた。華やかさと厳しさが同居する、現実のダッカの姿だ。

アジアンランチで締めくくる一日

この日の締めくくりは、ホテル内レストランでのアジアンランチ。前菜はさっぱりとした青パパイヤ風サラダと、野菜たっぷりのスープ。酸味と辛味がほどよく効いていて、旅の疲れを一気にリセットしてくれる味だった。

メインは、チャーハン、焼きそば、野菜と豆腐の炒め物が一皿に盛られたボリューム満点のプレート。どれも日本人にもなじみやすい味付けながら、香辛料の使い方や食感に、この地域ならではの個性が滲んでいる。旅の記憶を振り返りながら一口一口味わった。

一日の終わりに感じたこと

観光名所を巡るだけでなく、渋滞の交差点やローカルスーパー、ホテルの窓からの景色、そしてレストランでの食事を通じて、ダッカで暮らす人びとのリアルな日常に少しだけ触れられた一日だった。便利さや快適さだけでは語れない、この街ならではのエネルギーと、人の温かさ。旅の終わりに、あらためて海外を歩くおもしろさを実感した。

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けーちゃん
年代:40代/性別:男性/職業:会社員 怠惰な生活を送りながら、自分のカラダを改善する。 残りの人生を楽しめるよう、日々の記録をしてみる。